3階建て居住用戸建て住宅の2階にバルコニーを設置する際の採光補正係数の計算事例。
バルコニーは1階の開口部よりも大きく外壁面より外部にせり出しており、3階の屋根の軒も同時に壁面よりも外部にあるような垂直距離(h)が複数存在するケース。
この際、水平距離(d)/垂直距離(h)の採光関係比率の基準点はどこを基準とするべきなのか?
1.採光関係比率をそれぞれ計算し最小値を使用し採光補正係数を算出する
2.採光補正係数の調整方法
開口部の真上にあたる部分に建築物がある場合は、その建築物の部分が垂直距離の基準点となる。
例題のようにバルコニーがあり、軒もあるような場合は、両方の採光関係比率を測定しなければいけない。
そして算出された数値を比較し最小値(最も厳しい基準)を使用することが建築基準法で義務付けられている。
2階のバルコニーの設置によって1階の開口部の有効採光面積が設計上困難な数値となる場合は採光関係比率をもう一度見直してみると良い。
採光補正係数の算出では採光関係比率の数値が高いほど設計の自由度が広がることは言うまでもない。
採光関係比率を高めるには、単純に水平距離(d)の値を大きくすることを考えるのがベスト。
例題のケースでは「バルコニーの奥行きの幅」を狭め、隣地境界線との距離を少しでも長く確保する方法がある。
また垂直距離(h)の数値は小さいほど有利なので開口部となる窓などの設置位置を居室のやや高い位置に設置する方法もある。
但しどちらも度を過ぎると見苦しいデザインになるのでバランス感覚が必要だ。