屋内消火栓の設置場所・警戒区域の規定の解説

消防法に基づく屋内に設置する消火栓設備の設置基準、消火栓標識の設置場所の規定、ホースの耐用年数の解説。

◆1号消火栓の歩行距離によるホースの長さの追加規定について

屋内消火栓の設置場所及び配置に関する規定に関しては水平距離で25M以下の警戒区域半径に基づいて設置規定が設けられておる事は前項で解説した通りじゃ。

しかし、実際のフロアー内には、壁などが多く存在し歩行距離で換算した場合は、その25Mをあまりにも大きく超える事も現実的には多くあるものじゃ。

1号消火栓設備の消火栓ボックスに納入されておるホースの長さは約30Mの製品が主流。

歩行距離が多少伸びても多くのケースで対応は可能じゃが、一定距離を超えてくる場合に関しては、別途の消火栓設置基準が設けられておるケースもある点を確認しておこう。

◆追加項目の事例・ホースの長さの規定

1号消火栓の設置基準に関する追加規定に関しては各市町村の条例によって基準が異なることが前提である点をまず確認しておこう。

その為、この追加項目は消防法に基づく設置基準ではなく、市町村条例に基づくもので設計者の豆知識として把握しておくべき項目じゃ。

1号消火栓の配置を設計する際に、水平距離の規定が設計上の適用距離であったとしても歩行距離が一定距離以上となった場合は別途の追加項目規定を設けておるケースが多い。

例えば、1号消火栓の場合は以下のような別途の設置基準が設けられているケースがあるのじゃ。

①:歩行距離が30Mを超える場合
②:①のケースでは屋内消火栓に納入するホースは40M以上のホースの長さが必要

これらの別途追加規定は各市町村や管轄する消防署エリアによっても異なってくるケースがある為、設計段階で考慮する場合は事前の確認が重要となる。

不安がある場合は対象となる建築物の登記簿謄本上の管轄エリア内の消防署に確認を取っておくことが重要じゃ。