泡消火設備の設置基準概要の解説

泡消火設備の用途と構造の特徴、設置に関する消防法に基づく設置基準規定、泡消火薬剤PFOS規制の解説。

◆PFOS泡消火薬剤を含有する泡消火設備の規制内容・含有廃棄物の種類

PFOS泡消火薬剤を含有する泡消火設備は現在規制によって製造がなされておりません。

 ここでは化審法によって規制対象となった化合物PFOSの廃棄処理に関する規制概要とPFOS含有廃棄物の種類、及び現在使用中の泡消火薬剤・消火器用消火薬剤の扱いについて確認します。

1.PFOSが残留性有機汚染物質に認定された背景
2.主なPFOS含有廃棄物の種類と対象排出事業者の種類
3.PFOS含有廃棄物の種類(泡消火薬剤・消火器用消火薬剤)
4.半導体用のレジスト・エッチング剤の廃棄物分類
5.業務用写真フィルムのPFOS含有廃棄物の種類

◆PFOSが残留性有機汚染物質に認定された背景

泡消火設備や消火器等、PFOS泡消火薬剤を含有する消防設備の使用に関する規制が「化審法」によって施行されたのは平成22年じゃ。

このPFOSとは完全フッ素化された直鎖アルキル基を有するスルホン酸であるペルフルオロオクタンスルホン酸の略称で「ピーフォス」と呼ばれておる。

PFOSの規制が検討に入ったのは残留性有機汚染物質の扱いに関する世界的な注目が集まりつつある中で平成21年に開催されたストックホルム条約によるものじゃ。

PFOS自体は表面張力を軽減させる有能な界面活性剤として様々な分野で使用されておる化合物じゃ。

しかし、化合物の化学構造が安定した構造であることから廃棄されたPFOSの自然界での分解処理が困難であることが懸念され残留性有機汚染物質として国際的に規制されるようになった背景があるのじゃな。

◆主なPFOS含有廃棄物の種類と対象排出事業者の種類

PFOSを含有する規制については平成22年より既に規制が施行されており、現在はPFOS含有泡消火薬剤の製造は全て禁止されておる。

但し、過去に製造されたPFOS含有泡消火薬剤に関しては段階的に処分される事が認められており、現在設置されておるPFOS含有の消防設備に関しては火災発生時に限り、その使用も認められておる点がポイントじゃ。

尚、PFOS含有廃棄物として規制される主な4製品は、泡消火設備の他、半導体用のレジスト、エッチング剤(エッチング液)、写真のフィルムなどが規制対象に含まれておる。

主なPFOS含有廃棄物の種類と対象排出事業者の種類は以下のとおりじゃ。

PFOS含有廃棄物の種類(泡消火薬剤・消火器用消火薬剤)
番号 主な区分 排出事業者
泡消火設備 設備所有者・点検業者・解体業者・消防機関等
消火器 機器所有者・点検業者・消防機関等
パッケージ用消火設備等 設備所有者・点検業者・解体業者・消防機関等

泡消火薬剤のPFOS含有廃棄物の種類は汚泥・廃酸・廃アルカリに分類される。

PFOS含有廃棄物の種類(半導体用のレジスト)
番号 主な区分 排出事業者
ライン残・洗浄溶剤・充填時ロス レジストメーカ
廃レジスト液 半導体メーカ
廃現像液
剥離工程排水

半導体用のレジストのPFOS含有廃棄物の種類は廃プラスチックや廃酸・廃アルカリに分類される。

PFOS含有廃棄物の種類(エッチング剤)
番号 主な区分 排出事業者
廃エッチング液 半導体メーカ
洗浄排水

エッチング剤のPFOS含有廃棄物の種類は廃酸・廃アルカリに分類される。

PFOS含有廃棄物の種類(業務用写真フィルム)
番号 主な区分 排出事業者
廃フィルム 製造メーカ・現像処理業者・エンドユーザ
製造廃液 製造メーカ
廃現像液・定着液 現像処理業者・エンドユーザ
現像済フィルム

業務用写真フィルムのPFOS含有廃棄物の種類は廃プラスチックや廃酸・廃アルカリに分類される。