建築資材としての外壁や床材、敷石、タイルなど幅広い用途で使用されている御影石。
この御影石はいったいどのような特徴を持つ建築資材なのだろうか?
ここでは御影石と呼ばれるようになった名称の由来や歴史的建造物への使用、また御影石を構成する主成分について確認していこう。
1.御影石の主成分は石英・長石・雲母で構成される
2.御影石の名称の由来とは?
3.国会議事堂の外壁に使用された桜御影・建設に使用された御影石の重量は何と25500トン
御影石は建築資材として日本では特に広く使用されておる石材の一種じゃ。
日常生活の中では主に床材としてのタイル・敷石・の他、壁材などの装飾材として見かけることが多いじゃろう。
尚、この御影石という名称は主に石材として使用される際に呼ばれる名称であり、正式には「花崗岩(かこうがん)」と呼ばれる石の種類に分類されておる。
御影石の主成分は「石英」「長石」(斜長石・カリ長石等)を主成分とした石材で10%程度の「雲母」を含む石材が御影石として分類されておる。
地球上の地殻中には割りと豊富に存在する鉱石でもあり、加工も施し易く建築資材としては有能な建材と言えるじゃろう。
御影石の名前の由来は御影石の有名な産地である「神戸市東灘区(旧武庫郡御影町)」の御影からつけられておる。
この事からも御影石と呼ばれる建築資材は日本特有の呼び方であることがわかるのぉ。
御影町(旧名称)は六甲山の麓に位置する商業地として栄えた土地。
東灘区の六甲山南方には御影駅があるがこのエリア一帯がまさしく御影石の名称の由来となっている地域である。
御影町は御影石を主とした石材の産地である他、「菊正宗」「白鶴」などの多くの造り酒屋が立ち並ぶ日本酒の産地としても有名な地域じゃ。
当初はこの御影町を産地とする花崗岩を加工した石材を御影町の石材として御影石と呼んでおったのじゃが、現在市販されておる御影石の大半は日本産の製品は少なく世界各国の花崗岩を主成分とする石材全般が御影石として販売されておるのが実態じゃ。
尚、現在東灘区エリアから採掘された花崗岩は一般の御影石と分類され「本御影石」として販売されておるのじゃよ。
※御影で採掘される花崗岩は本御影石・もしくは六甲の名から六甲本御影石と呼ばれており高級建築石材として利用されている
御影石を使用した有名な建築物と言えば東京都千代田区永田町に建設された国会議事堂の存在が一番かもしれんのぉ。
国会議事堂は日本の政治の中枢機関とも呼べる場所で建築物の構造、設備、そして建築に使用された建築資材に至るまで重厚な資材を使用して建築されておる。
尚、国会議事堂の外壁に使用されておる御影石は、高級石材の産地として知られる広島県産の「桜御影」を主体とした3種類の御影石が使用されておる。
当時の建築資料である帝國議會議事堂建築概要の記載では国会議事堂の外壁に使用された御影石の量は25500トンと途方も無い重量となっておる。
尚、この議事堂の建築に大量に使用された桜御影は建築家の間では「議員石」という愛称で広く親しまれておるのじゃよ。