高圧受電設備とは電気を使用する際に電力会社の高圧配電線から直接電気を引き込み受電設備内で電圧を変成して利用する為の電気設備の事じゃ。(高圧受変電設備とも呼ばれる)
高圧配電線からの電気の引き込み方法には、構内に引込柱(引込第1号柱)を設置し支持点を確保した上で引き込む「架空引込線」を経由する方法と高圧キャビネットを設置して電力会社の地中配電線から電気を引き込む「地中引込線」によって電気を受電する方法がある。
尚、設計における引込み方式や機器類の接続構成はスケルトン・ダイアグラム(単線結線図)によって記されケーブル配線や配電盤、変圧器、コンデンサ、断路器、各種遮断器の配置と接続状況を確認しながら点検業務を行なうのじゃ。
高圧受電設備とは、その名の通り高圧配電線から直接高圧の電気を受電する電気設備の事じゃ。日本では地域によって電力会社(電気事業者)が供給する電力を高圧配電線から高圧受電設備に受電し、電圧を一般用の100ボルトや200ボルトへ降圧変成することで電気を利用する形式となっておる。
尚、このように高圧配電線から直接受電を行なう電気設備は電気工作物として分類され、日本国内で高圧受電設備によって電気を受電している電気設備を「自家用電気工作物」として分類しておるのじゃ。
1.高圧受電設備・電気工作物の種類と分類
2.昔は主流の受変電設備として設置された開放形高圧受電設備
3.高圧受電設備の現在の主流はキュービクル式
電気工作物の種類は、まず大きな分類として「一般用電気工作物」と「事業用電気工作物」の2種類の電気工作物に分類されることを把握しておくことじゃ。
尚、高圧受電設備の分類は全て事業用電気工作物に分類され、更に事業用電気工作物は「電気事業用電気工作物」と「自家用電気工作物」に分類され、自家用電気工作物は更に「高圧自家用電気工作物」と「特別高圧自家用電気工作物」に分類されておる。
電気工作物の種類の中でも前述した高圧自家用電気工作物にあたる高圧受電設備の多くは、電力会社の高圧配電線から6600Vの電圧で電気を受電しておるのがひとつの特徴じゃ。
尚、高圧受電設備は主な形式で分類すると、開放形と閉鎖形の受電設備に分類することができる。
1980年代までは主流として数多く設置されていた開放形高圧受電設備はフロア一帯、もしくはフロアの一部を隔離して設置する大型の受電設備で主に屋内に設置されておるケースが多い。
竣工から数十年といった年数の経過しているビルや商業施設などでは今でも見られる高圧受電設備であり機器類や配線が露出しているため目視で容易に各部を確認することが可能じゃ。
その為、定期点検などの点検や検査業務では作業量のメリットがあるとも言えるのじゃが、屋外設置の場合は雨水や塩害による腐食問題、そして屋内であっても高圧受電部が露出しているため事故や火災、感電の危険性という欠点も多いのが開放形高圧受電設備のひとつの特徴でもあるのじゃ。
もうひとつの閉鎖型高圧受電設備とは現在では主にキュービクル式高圧受電設備と呼ばれておる電気設備じゃ。
キュービクル式高圧受電設備では大型の金属箱内に変圧器や配電盤、遮断器などの一式の設備を収納しておる為、開放形の欠点である雨水や塩害による腐食や、小動物の侵入による感電事故などを防止する事が可能となっておる。
尚、新しく設置される高圧受電設備の多くは閉鎖形のキュービクル式高圧受電設備となっておるのじゃよ。