避難器具とは火災などの災害の発生時に建築物の窓やバルコニーから避難を行う際に安全に避難を行うための器具のことじゃ。
通常、火災などの災害が発生した際は、避難通路を使用し安全かつ迅速に避難行動をとることができる。
しかし、何らかの非常事態が発生し避難通路が通れないなどの事態が発生した際には避難器具を使用することになる訳じゃ。
尚、避難器具は何よりも安全性が高いものであること。これは絶対条件じゃ。
そして、非常事態時に使用するものであることから、簡易的に使用できるものであることが重要となる。
また、消防知識の乏しい一般人でも使用できるよう使用の手順などが表記されていることも条件となっておるのじゃよ。
【避難器具の種類について】
消防法令によって避難器具として認定されている避難器具は全部で8種類となっておる。
避難器具には、常時使用できる状態で設置されている避難器具と、火災・災害の発生時に使用できる状態にしてから使用する避難器具がある。
尚、消防法令で認定されている避難器具は以下の8つじゃ。
【消防法令25条の避難器具8種】
☆避難はしご
☆避難ロープ
☆避難用タラップ
☆滑り棒(すべりぼう)
☆滑り台
☆緩降機
☆避難橋
☆救助袋
避難器具の中でも最も基本的な避難用具のひとつに避難はしごがある。
避難はしごは大きく分類すると3種類の器具に分類され構造材料によって金属製と非金属製に分類される。
ここでは3種類の避難はしごとそれぞれの種類別の設置基準について確認する。
避難はしごとは、避難器具の中で、最も基本的な避難器具のひとつじゃ。
避難はしごは、使用方法が異なる3種類の避難はしごがある点がポイントじゃ。
それぞれの避難はしごは対象となる建築物構造や場所、用途によって適した避難器具が選択される事になるのじゃよ。
【避難はしご3種類】
☆固定はしご
☆立てかけはしご
☆吊り下げはしご
避難はしごは金属製のはしごと、非金属製の避難はしごがある。
尚、金属製はしごは「国家検定品目」に指定されている点がポイントじゃ。
※国家検定品目に指定されている避難器具は、避難はしご(金属性のみ)と緩降機の2つ
避難はしごの設置基準は各種類別にそれぞれ項目が規定されておる。ここでは各避難はしご(固定はしご・立てかけはしご・吊り下げはしご)の設置基準および設置方法のポイントを見ていくとしよう。
固定はしごは「ボルト締め」「埋込み」「溶接」など、固定力を損なわないように堅く取り付けることが基本じゃ。
固定はしごは建築物に常時設置しておく避難用設備。
固定はしごの設置に関しては、防火対象物の「柱や梁」などの構造上堅固な部位に固定することが大切じゃ。
その為、場合によっては固定部分のみ補強材などを使用することも大切となってくるのぉ。
立てかけはしごは、はしごの最上部、最下部に「滑り止め」をつけることが義務付けられておる。
これは最低限の安全性を高めるための措置じゃな。
固定はしごと異なり建築物に直接溶接固定する必要が無いため、特に場所を問わず外部へ容易に避難できる簡易的な避難器具の代表じゃ。
吊り下げはしごの取り付け具に使用する材料は以下に規定される材料・及び基準を満たす必要がある。
【吊り下げはしごに使用される材料の規定】
①JIS規格G3101
②JIS規格G3444
③上記2品と同等の強度・耐久性を保持する部材
また、腐食に強い耐食加工を施した部材を使用することが大切じゃ。
吊り下げはしごの設置基準では、はしごを設置した際に建築物と吊り下げはしごの距離が「10cm以上の距離間隔」を保つことが必要となっておる。