火災報知器とは、火災による煙や熱を感知器が早期に感知して警報ベルなどで建物内の人達に火災の可能性の発生を警報する消防用設備のことじゃ。
住宅用の火災報知器は以前から販売はされてはおったが、その普及率は非常に低かいものじゃった。
しかし平成16年6月2日に公布された消防法の改正基準では、従来の防火対象設備への設置義務に加えて、今後は一般住宅にも火災報知器の設置を義務付ける旨の改正が公布され現在に至るという訳じゃ。
消防法の改正に伴い施行される住宅用火災報知器の設置義務化の施行については新築住宅に関しては平成18年6月1日から既に設置義務が発生しておる。
また、既に建築済みの既存の住宅に関しては各市町村ごとに平成20年6月1日~平成23年5月31日の間に設置義務化に関する期日が市町村条例によって制定されておった。
尚、現在は全ての一般住宅に対して火災報知器の設置義務化がなされておる為、もしまだ未設置の場合は、早急に火災報知器の設置対応を行う必要があるかもしれんのぉ。
当サイトでは、実際にどの場所に設置すべきか?設置が不可欠な居室やエリア。また購入補助金対象となる火災報知器の種類など火災報知器の設置に関する素朴な疑問を入門者向きに解説しておる。
では火災報知器に関して自分が把握しておくべき項目をしっかり学習していくとしよう。
一般住宅に火災報知器の設置義務が定められたのは平成18年のこと。
その後、全住宅に普及するまでの一定期間を設け現在は全ての住宅が原則として設置義務を受ける住宅となっている。
消防法は毎年幾つもの改正がなされるものではあるが、一般住宅全ての義務化というのは、消防法の変遷の中でも大きな変化であることは間違いない。
火災報知器の設置義務化を必要とした背景問題についてここでは学習していこう。
消防法の改正によって平成18年より一般の戸建て住宅にも家庭用の火災報知器の設置義務が規定された。
消防法は毎年のように改正がなされておるが、一般住宅全てに関する義務を制定する改訂はとても大きな意味合いを持つ。
この消防法の改正の背景には実は
●消防庁の統計
が改正を必要とする事になった大きな要因のひとつとなっておるのじゃ。
これは、消防庁が過去の火災内容を判断し一般家庭の火災件数が多い事を示していると推測できるのぉ。
大型のビルや商業施設などの大型の商業施設には多くの人が集まる。その為一度の火災で多数の死者が出てしまう可能性が高いのは言うまでもないのぉ。
その為、一般住宅に火災報知器の設置義務が施行される以前から、大型施設や商業施設は既に設置義務化がなされておった。
しかし、消防庁が発表した統計では実際に建物の火災によって死者が出るケースの約85%以上が住宅用火災によるものであるというものじゃった。
実際に火災によって亡くなるケースの8割以上が一般の住宅火災によるものが大半である事が立証された事になるのお。
また、住宅用火災によって亡くなる原因の多くは、火災の発生に気づくのが遅れる「逃げ遅れ」が原因で、かつ亡くなる方の実に6割近くが65歳以上の高齢者であるという事も確認されておる。
このような火災の現実が一般住宅にも火災報知器の設置義務が付加されたというのが消防法の改正の背景にあるのじゃよ。
既存住宅に対する火災報知器の設置期限は平成23年5月31日まで。
期限としては既に過ぎているが、本当に全ての住宅で火災報知器の設置が達成されているのだろうか?
また、今後既存住宅の増築や改築を行う場合は、新たに煙感知器や報知器の設置をする必要があるのだろうか?
ここでは、判断に困るケースの対応や、消防署などの相談場所についてチェックしていこう。
消防法の改正に伴い制定された火災報知器の設置期限は平成23年5月31日までじゃ。
これは新築に限らず既存住宅についても各市町村ごとに住宅用火災報知器の設置義務化の規定が順次制定されておる為、この期間よりも短い期限の地域も多い。
尚、この平成23年5月31日というのは、あくまで最長の期限を示しておった訳であり、現在は地域に限らず既に日本全国が設置義務対象となっておる事がわかるのぉ。
既存住宅の住宅用火災報知器の設置義務の詳細に関して疑問やわからない点がある場合はどうしたら良いのじゃろうか?
例えば住宅を増築する、改築するなど既存住宅のリフォームを行うような場合は、新たに火災報知器を設置しなければいけない場合も想定される。
このように火災報知器の設置場所や、判断に迷うようなケースでは、管轄エリアの
●消防署
●消防庁
のいずれかに確認してみることが大切じゃ。
この管轄エリア内というのは住宅が建築されている登記簿謄本上の管轄地域を指すことになる。
管轄エリアの消防署に相談する理由は、根底となる基準はどこも変わらないが、地域によって別途規定などが制定されている場合も有るためじゃな。
尚、新築住宅の火災報知器の設置義務化については全国統一で
●平成18年6月1日
から施行が開始されたが、いち早く新築住宅に住宅用火災報知器の設置義務化を設けたのは、東京都で平成年10月1月から施行が開始されておるのじゃよ。
このように都道府県や市町村によっても進行状況などが異なる為、わからない場合は管轄エリア内で相談する必要があるのじゃな。
消防法の住宅用火災報知器の設置義務化に伴い、建築基準法についても設置義務化に関する一部改正がなされておる。
これはすでに施行が開始されておる新築住宅を建築する際のケースじゃが、改正点としては申請及び検査の際に必要書類の添付が付加されたことじゃ。
建築基準法の一部改正にともなう申請及び検査の際に添付する必要書類の具体的な内容は、
●建築確認申請
●完了検査申請
を行う際に住宅用火災報知器の設置図面を添付する事が義務づけられた事じゃ。
尚、各市町村の消防本部によって異なるが一部の地域では、火災報知器の設置工事の前に「住宅用火災報知器設置届け」が必要となる市町村もあるので、事前の確認が必要じゃ。
住宅用火災報知器を実際に設置すべき場所はどこなのだろうか?
ここでは品確法に基づいて等級別の警報対象エリアと設置場所について一覧表を見ながら確認していこう。
住宅用火災報知器の設置場所については、
●品確法(ひんかくほう)
に基づいて、等級ごとに設置場所が定められておる。※品確法=住宅の品質確保の促進に関する法律
火災報知器の設置に関する品確法規定も、消防法の改正に伴い変更されておるので要チェックポイントじゃ。
以下に等級別の「警報対象」及び「設置場所」を記載しておくので建築に携わる方は把握しておくと良いじゃろう。
【品確法に基づく等級別の設置場所一覧表】 | ||
---|---|---|
等級別 | 警報対象 | 設置場所 |
1級 | 当該室付近に警報 | 全ての寝室・階段 |
2級 | 当該室付近に警報 | 全ての寝室・台所・階段 |
3級 | 当該室付近に警報 | 全ての居室・台所・階段 |
4級 | 住宅全域に警報 | 全ての居室・台所・階段 |
天井や壁などに設置する火災報知器がいったい何年程度の耐用年数があるのだろうか?
実際に火災報知器の説明書をチェックしていくとわかるが、住宅用の火災報知器は電池式が9割以上。
使用されている電池はリチウム式が大半で7年~10年以上は持つようである。
ここでは火災報知器を購入する際にチェックすべき電池の寿命と製品概要の項目について学習しよう。
火災報知器のバッテリーは一般的な商品の場合はリチウム電池が使用されておる。
これは万が一災害などで停電してしまったケースや、
●火災報知器のセンサー
が火災の予兆を感知する前に熱によって電源供給が途絶えたりするケースにおいても正常に稼動させる事が出来る事が重要である為じゃ。
住宅用火災報知器に使用されるリチウム電池の耐用年数は一般的なもので約10年程度の対応力があるものが多い。
実際に市場シェアの高いパナソニックなど幾つかの火災報知器の製品概要を調べてみると以下のような項目が記載されておる。
☆作動方式
☆警報音・音声警報
☆連動警報開始時間
★電池寿命
★電源
★電池切れ警報期間
☆警報停止機能
☆連動可能台数
☆自動復旧機能
☆使用温度範囲
☆推奨設置場所
☆設置位置
☆質量
☆発信出力
☆電波の到達距離
☆外形寸法
電池の寿命に関する項目としては「電池寿命」「電源」「電池切れ警報期間」の3点をチェックしておけば良いじゃろう。
また、リチウム電池式の住宅用火災報知器を設置する場合は、助成金制度の対象となるケースもあるのでチェックしておくことじゃ。
尚、有線式の電源による電気の供給を受けるタイプの火災報知器の場合は
●停電時に稼動しなくなるケース
もあるので注意が必要じゃ。
火災報知器の新たな設置を検討する際は、この電源供給の問題は非常に重要なポイントである事を把握しておく事じゃ。
火災報知器の設置場所の規定の項を見ても解る通り、火災報知器は基本的にほとんどの居室に必要であり、キッチンや階段にも設置する必要があることがわかる。
これは一般的な3LDKや4LDKの2階建ての一戸建ての場合でも全ての設置を行うと結構な負担額になることがわかるのぉ。
また、高齢者で昔ながらの住宅に住んでおり既に年金生活などで経済的に購入が厳しいようなケースも考えられる。
このような状況に対し、一部の市町村では火災報知器の購入助成金制度を導入している市町村も出てきている。
今後もこの助成金制度が継続されていくかどうかはわからないが、どのような制度概要であるのかについて把握しておいても良いだろう。
ここでは、助成金制度対象となる火災報知器や助成金制度が受けられる基準についてチェックしていこう。
住宅用の火災報知器に関しても消防法の規定により設置義務が設けられてたのは前項で解説してきた通りじゃ。
尚、この火災報知器の設置に関しては、一定基準の範囲内においては、
●火災報知器の購入費の助成制度
が市町村によっては設けられておるのじゃよ。
このような購入費助成金制度を知っておるものは残念ながらほとんどおらんのが現状じゃ。
助成制度の対象となる住宅用火災報知器尚、対象となる火災報知器は
●日本消防検定協会
の検定基準に合格した商品で10年以上の耐用年数を保持する電池式火災報知器が対象となる。
尚、助成金が受けられる基準としては、
●年齢
●市民税の課税対象額
などが基準となって助成の判断がなされてるケースが多いようじゃのぉ。
尚、これらは各市町村によって異なるので、自分の住んでいる市町村の市役所などに確認してみる事じゃ。
火災報知器をよく見るとNSと記載されたマークやULと記載されているマークを確認することができる。
この2つのマークはいったい何を表しているのか疑問に感じたことがある方もいるのではないだろうか?
ここでは日本消防検定協会の認定品でNSマークとULマークの違いについて学習していこう。
日本消防検定協会の検定基準に合格した商品、かつ火災報知器そのものの耐用年数が10年以上の耐用年数を保持する電池式火災報知器に関しては、今回の住宅における火災報知機の設置義務に関し、一部助成金制度が存在するのは前項で解説したとおりじゃ。
尚、この日本消防検定協会が認定した火災報知機に関しては
●NSマーク
と呼ばれる「NS」のアルファベットマークが付けられておる。
NSマークがつけられておる住宅用火災報知器は、日本消防検定協会の審査基準をクリアしておる製品じゃ。
その為、仮に助成金などを考慮せずとも本来は安全性からもNSマーク付の住宅用火災報知器を選択したいものじゃ。
逆に、家電量販店や、ホームセンターで販売されておる格安の聞いたことが無いメーカーなどに多い火災報知機に関しては
●ULマーク(アメリカの規格)
が付けられておるものも多くある。
どちらが劣るとは言いがたい話じゃが、日本の消防基準のレベルが高い点も考えるとNS製品の方が安心感は高いと言えるじゃろう。