点字ブロックの設置基準

JIS規格に基づく点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)の設置基準、寸法規定、種類、メーカー価格、推奨される色の解説。

◆Jis規格に基づく点字ブロックの設置規定の解説

点字ブロックの設置基準は、JIS(日本工業規格)によって設置規定、寸法、突起の形状が定められており、近年では使用する点字ブロックの色に関しても推奨色へ徐々に移行されてきておるのをご存知じゃろうか。

点字ブロックは、視覚に障害をもつ方を安全に誘導する事を目的に地面や床面に敷設されるブロックプレートのことで誰もが一度は目にしたことがある身近な存在であるはずじゃ。

尚、近年は点字ブロックの上に無断駐輪する自転車等が増加し問題となっておる。
 点字ブロックは歩道に設置する位置まで細かく配慮がなされ工事段階から様々な考慮がなされて設置される視覚障害者誘導用ブロックの一つじゃ。

点字ブロックの種類は誘導の目的によって幾つかの種類に分類されておるが、このような基本的な知識を学習する事もこれらの問題について考えるきっかけとなるかもしれんのぉ。

ではここでは、Jis規格に基づく点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)の設置基準、寸法規定、種類、メーカー価格について確認しておくとしよう。

◆点字ブロックの種類は大きく二種類に分類される

一般的に点字ブロックとして認識されている床面のプレートは大きく分別すると
●誘導ブロック
●警告ブロック
 の2種類に分別される。

この2種類の点字ブロックは、「使用される目的」及び「使用される場所」が異なる点がひとつのポイントとなっておる。

◆移動方向を示す誘導ブロック

誘導ブロックとは、縦長の線状の突起がついているもので、移動方向を示す役割をもっておる。

駅や地下鉄のホームを思い浮かべてほしい。

駅のホームから階段への通路部分にかけて黄色の視線誘導点字ブロックが並んでおる光景を目にしたことがあるじゃろう。

また歩道から交差点の信号の手前部分まで続く一列の長い誘導ブロックが敷き詰められている光景も一度は目にした事があるはずじゃ。

これらの誘導用ブロックは移動方向を示す目的があるために、点状ではなく進行方向を足裏や白杖の先で感じられる線状の突起が設けられておるのじゃな。

◆線路のホームや交差点の手前など一時停止を促す警告ブロック

次に後者の「警告ブロック」は点状の突起がブロック全体についているも点字ブロックを指す。

点の部分は丸い凹凸がブロック一面に敷き詰められておる。

この警告ブロックは、「ここは危険性のある場所だよ」とその名の通り警告を促す役割をもっておるのじゃ。

駅のホームでは、階段からホームにつながる通路沿いには前述した誘導ブロック。
 そして線路との境界にあたる手前部分や歩道では横断歩道の手前部分などに差し掛かると誘導ブロックから点字ブロックへと変化しているのが確認できるはずじゃ。

このように誘導点字ブロックと警告点字ブロックの2種類のブロックを用いる事で、足裏や白杖で今現在どの部分にいるのかを把握出来るようにしているのが点字ブロックのひとつの特徴じゃ。

◆寸法の規定は実際に実験を行ったデータ結果を元にJIS規格で定められた

点字ブロックの寸法の規定は、JIS規格によって、
●プレートの大きさ
●突起の高さ
 に至るまで詳細な基準が設けられている。

また、JIS規格による規定は前項で解説した
●誘導用点字ブロックの寸法規定
●警告用点字ブロックの寸法規定
 と用途、種別によって規定が変わってくる点もひとつのポイント。

◆点字ブロックの寸法の規定の定義

点字ブロックの寸法の規定の定義は、寸法の規定を定めるにあたり、まず何よりも考慮されるのは
●視覚のハンデを伴う方々に識別しやすいものであること。
 という基本的な条件がある。

そして更に、点字ブロックは突起を有するプレートである事から、
●つまずきなどの転倒の危険性
 が及ばない範囲であることなどの安全性の面からの寸法規定が考慮されている。

◆JISによる点字ブロックの寸法規定はどのように決められたのか?

点字ブロックの高さはどの程度の高さであれば馴染みやすく転倒の危険性を回避できるのか?

これらの規定を設けるにあたり、実際に視覚障害者の協力を元に大規模な実験を行いデータ化した結果、現在のJIS規格の寸法が採用されるようになった経緯があります。

◆警告用点字ブロックの寸法規定・サイズについて

警告用点字ブロックの寸法の規定はJIS規格によって
●点状突起の数
●点状突起の内周・外周の寸法
●点状突起の高さ
●警告用点字ブロックの最低限の寸法
 に至るまで、明確に基準が設けられている。
 以下にJIS規格による警告用点字ブロックの寸法規定をまとめておくのでチェックしておこう。

◆警告用点字ブロックの寸法規定項目について

【警告用点字ブロックの寸法の規定~JIS~】

●警告用点字ブロックの大きさは1片が300ミリ以上であること
●警告用点字ブロックの点状突起の数は25個以上であること
●警告用点字ブロックの点状突起の間隔は点の中心を基準に55~60ミリの範囲であること
●警告用点字ブロックの点状突起の外周円の寸法は10.5~13.5ミリであること
●警告用点字ブロックの点状突起の内周円の寸法は20.5~23.5ミリであること
●警告用点字ブロックの点状突起の高さは5~6ミリであること

◆誘導用点字ブロックの寸法・サイズの規定(JIS規格)

誘導用点字ブロックの寸法の規定はJIS規格によって
●線状突起の本数
●線状突起の内周・外周の寸法
●線状突起の高さ
●誘導用点字ブロックのつなぎ目部分の寸法
 に至るまで、明確に基準が設けられておる。

以下にJIS規格による誘導用点字ブロックの寸法規定をまとめておくのでこちらもチェックしておこう。

◆JIS規格・誘導用点字ブロックの寸法規定一覧

【誘導用点字ブロックの寸法の規定~JIS規格~】

●誘導用点字ブロックの線状突起の数は4本以上であること
●誘導用点字ブロックの線状突起の高さは5~6ミリであること
●誘導用点字ブロックの線状突起の外周円の寸法は側面で15・5~18.5ミリであること
●誘導用点字ブロックの線状突起の外周円の寸法は頭頂面で10ミリであること
●誘導用点字ブロックの線状突起の内周円の寸法は270ミリであること
●誘導用点字ブロックのつなぎ目部分では線状突起の中心間隔が30ミリ以下とすること

◆点字ブロックの色の規定・周辺との明暗を数値化した輝度比の解説

JIS規格(日本工業規格)による点字ブロックの色の規定に関しては、設置基準ガイドラインにおいて
●原則として黄色が望ましい
 とされておるが、実情では「明確な色の規定は行わない」という指針を示しておる。

これは、例えば点字ブロックを設置する床面が黄色に近い色の場合に、黄色の点字ブロックを設置すると弱視者にとっては点字ブロックの位置の認識が難しくなるケースもある為じゃ。

その為、点字ブロックの色に関しては、現実的には黄色が圧倒的に多いものの原則常識の範囲内で設置される事を想定し自由となっておるのじゃよ。

◆点字ブロックと周囲の明暗を数値化した輝度比の解説

 点字ブロックの設置基準では弱視者が明確に色を識別しやすいように、点字ブロックを設置する周囲の床面と点字ブロック本体の色の違いを数値化した
●輝度比
 と呼ばれる数値が点字ブロックの色の指標として用いられる事がある。

この輝度比の数値は「2.0程度の数値」が好ましいとされておるが、この輝度比に関しても色彩と同様に現在明確な規定はまだ設けられていないのが実情じゃ。

推奨色としては明るい黄色、しかし景観への配慮なども考慮し今後は弱視者にも優しい鮮やかな点字ブロックが登場してくるかもしれないのぉ。